MC178月10日未明 長崎 証言227夜のしじまを破って、地虫が鳴いて 証言228この両手を、今でも見つめる時がある
証言229立木が燃えていると思ったんです 証言230お粥を食べる元気もない 証言231拝むようにして御体に火をつけました
証言232死体を、のけては飲み、のけては飲み 証言233黄鼻、赤鼻、青鼻。そして鉄筋 証言234動物も人間も死ぬ場所はいっしょ
証言235焼け爛れた猫がペロペロ 証言236同じその信仰を持つ者が 証言237焼くとやもん、本当見ちゃおられん
証言238体内からへその緒が続いたまま 証言239ちょうど兎の皮剥いだ通りです 証言240「ブーッ」っていうたとき振り返り
証言241『お母さん』と言う言葉で、娘と… 証言242『熱くなったよー』、でもどうしようも 証言243自分で焼いて、茶碗に骨を入れて
証言244どなたのかお骨を少しいただいて 証言245お骨を拾わんと死亡証明が… 証言246死ぬまでやっぱり食うとが主
証言247まだあちこちで炎が見える 証言248虫が生きているのに、虫だったら MC188月11日から14日まで 長崎
証言249口を開けて、歯を調べとるんですね 証言250阿鼻叫喚というか生き地獄というか 証言251通ると、音が聞こえるのか、何か感じるのか
証言252やっぱり自分に祟りがきたんじゃ 証言253殺してあげなきゃならない 証言254横っ腹から赤ん坊のひっと出で
証言255一寸ずつでも五分ずつでも 証言2564日経っても、死骸はそのまま 証言257死体のね、口を開けて歩きました
証言258一番苦しい思いしてるでしょうなぁ、圧死だから 証言259妊婦が、爆風によって、子供を露出 証言260軽油なんかを掛けて、だいぶ焼きました
証言261ひもじいやつは食べていいよって言って 証言262『あっ、ほんなら、まだ燃やされん』 証言263脳を鳶口で出すとかね、腸をね、鳶口でね
証言264そん中にザクッとスコップですくって 証言265刑務所の死体が、あれが、まー、3日位 証言266まるで、鰯か魚を引きずるようにして
証言267雷、ピンセットからなんから置いて逃げ 証言268住むところは、駅、それから野原 証言269絵描きとして生まれて、こんな凄惨な場所を
証言270これで自分の家で治療してくれ 証言271嘘っぱちかもしれんけれども MC19半日早く戦争が終わることを知った人々
証言272一睡もしませんでした。誰も MC20同じ夜、佐賀県のある町で 証言273ダリアの花を一本。せめての野辺送り