HOME
証言247 | 8月10日 夕刻 | まだあちこちで炎が見える | 当時21歳 |
山里町あたりに来ますともう本当、
焼け野が原〈が広がるんですね。
そしてまだあちこちで炎が見えると。
城山町〈一帯も家ひとつないわけですね。
家ひとつなくて、灰になっている所々で火がくすぶっている。
死体がごろごろしている所があるし。
そして、寮が近づくに連れて鬱蒼〈として茂とった、あの松の林がですね、
将棋倒しに木が倒れとるんですね。
もう、夕もやが迫っているけれども、まだ炎が見える。
どうもここが自分の寮だったかどうかさえ見失うぐらいだと。