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証言238 | 8月10日 | 体内からへその緒が続いたまま | 当時40歳 |
家屋は全部焼失しましてね、生きた人影は見えませんでしたが
死体が累々としまして、お母さんの体内からへその緒〈が続いたまま、
赤子〈が母から1mぐらい離れて死んどったのを見ましたときには
本当に、ああ悲惨〈なもんだなあって思いました。
それと大橋〈の鉄橋下の川に飛び込んで、全身水ぶくれと、
豚の皮を剥〈いだような格好になりまして、
あすこにもここにも、水の中に死んどるのを見ましたときに、
生きながらの地獄ちゅうのはこういう風なもんかって
やっぱり思いましたですね。
電車の焼けたのが3台ぐらい見えましたですかね。
それに、死骸〈が折り重なって、どれを見ても、
爆風〈で着物が飛んでしまったのかどうか、裸のようでございましたですね。