(教え子の少女の遺体を)やっと、もう、見つけ出したっていうような 人達は引っ張って行ってね、 どうせ焼いてもらわなきゃならないんですよ。 で、ちゃんと、ま、記録をしてもらって、焼いてもらって、 こんな大きな壷ですよね、素焼きの壷をね。 持って行くと、そん中にザクッと スコップですくって、そして入れてくれるんですよ。 で、その壷の熱いのを抱えてね、安置室が出来ていましたから、 そこへ持って行くんですよ。
また、この、もう引き取る時もね、もう、ちょうど私達が 殺したみたいにね、酷〈くおっしゃるんですよ、親御さんがねー。 しかし、あの親御さんの辛〈さが分〈かるからね、私達も何にも言わないで、 もう『もう、ほんと、お気の毒でした』って言うより 他に言いようがないんですよね。
親御さんにしてみれば、もう、そう言わなきゃ、もう、居れないわけですよね。 私は、忘れることできませんねー。 それはもう、親御さんから叱られた時のねー、辛〈さをね、 私、忘れること出来ないですね。 黙祷〈の サイレン鳴れり 目瞑〈れば 火を噴きている 乙女の髪見ゆ 爛〈れたる 直土の上に 積み重ね 教え子の死体 焼きたる記憶 |