あの辺一帯はもうずぅっと死骸の山です。 それから水の流れの中でこう、うつ伏〈せになって倒れて、 水の流れの中へ倒れている者、 草むらに折り重なって倒れている者、 もう非常にたくさんの人があそこにずぅっと大橋〈の、 あの所に亡くなった。 わずかに残った力を振り絞ってあの辺の人が水を飲みに来て、 そして水を飲んでやっと安心して寝て、そのまま亡くなったと。
それから城山〈の学校の近くの、ほんとにこう道のわきか、 あるいは崩〈れた瓦〈の、屋根瓦〈やなんかのわきのところで、 まぁ、生きてるか死んでるか分〈からない、 とにかくふくれあがって血色〈になってる人、眼の飛び出して倒れている人。 そこを通ると、もう音が聞こえるのか、あるいは何かで感じるのかですね、 『苦〈しいー!、水をー!』ともう、何か小さな声ですが何か、こう声で。
ああこの人も生きてるんだなという気持ちですね、これを聞いても、別に。 眼の飛び出して下がった人はずいぶんあったようです。 あそこの悲惨〈な状態というのは今でも 本当に言葉では表現できないようです。そういう状態は。 |