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証言267 | 8月11〜14日 | 雷、ピンセットからなんから置いて逃げ | 当時母44歳・娘12歳 |
娘:雨はひどかしですね、バラバラバラバラ言うてですね、
「また爆弾またあれしてきた」て言うからね、
で、弟、「原子バラン」て言いいよっとですよ
「原子爆弾」て言いきらんで、「原子バランがまた来た」言うて…
母:(笑い)
娘:ほいでもうお医者さんたちは薬を置いて逃げて行くでしょ。
で、その間に薬を取っててみんなに治療してあるわけですよ。
自分がずうっと回って…
母:そうしてね…
娘:ほいで今度そげんしよってですね、そしたら最後にあれですね、
もうこげん逃げよった、あたしは寝たっきり全然動かれんでしょ。
そいけん、逃げよってもね、どうもならんけん、二人でここで死のうでね…
母:三人死のうちゅうてね…
娘:三人死のうて言うでしょうが。うん、そげんしようて言うた、そしたらまた、
バラバラバラて言うたらううー、逃げるわけですよね。
『かあちゃん、あんた何しよる』私引っ張る役ですよ。もう必死になって。
『あんたはね、ウチば置いて逃げんて言うてね、
ここで死のうて言うとってね、見てみんね、こげんしよったら
あんたはまたウチば置いてから逃げて行きよろうが』って
言うてね、あたし、一生懸命〈引っ張り方ですよ。
それば繰り返しよったですよ。もうしょっちゅうそんなされよったです。
母:言うてね、それからねまた…(笑い)またね、座ったこと無い。
そしたらね、病院の先生がねピンセットと何と持っていてね、
この人ば消毒しよるんですよね。そしたら、ピカッと光ったらね、
雷さんがそん時光っとっとよね。
そしたら先生がピンセットからなんから置いて逃げとんなさっと。
娘:やっぱり子がかわいか、誰がかわいか、
やっぱり自分の命が一番かわいいし、
母:私たちは逃げますね。
娘:私たちがねあれって言うても経験したけん絶対これは間違わん。
「自分自身」て私は言うたですよ。いくら子供がかわいか、
婿〈さん言うてもね、やっぱり自分の身ば守るとやね最後は、
って言うて私それだけ経験したです。よか経験やった。ハハハハ。