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証言230 | 8月10日 午前 | お粥を食べる元気もない | 当時26歳 |
学校の壕に残りました先生はどうしているんだろうか、
ほとんど亡くなられていられるんじゃないかと思いながら、
私は学校に出かけて行きました。
そうしましたところ、何名かの先生は亡くなっていましたけれども、
10名近くの先生は、虫の息ながらも生き長らえていまして、
私が行きましたところ『林先生、林先生』と言って、
あっちからもこっちからも非常に喜んでくれました。
そこでその先生たちが、昨日から何も食べていないので
ひもじかろうと思いまして、その日すぐに大橋〈付近に、
炊〈き出しの握りご飯を配っていましたので、そこに貰〈いに行きまして、
そのままでは食べきらないだろうと思いまして、
一丁これはお粥〈にして食べさせねばいけないと思いまして、
近くに鍋〈を拾いに行きまして、そこで柔らかく炊〈きまして、そして、
やったのですけれども、ほとんど食べる元気もなかったようでした。
運動場の周りにはたくさん壕〈を掘っていましたので、
近くの人で助かった人は、
みんな壕〈の方に避難〈してまいりましたので、壕〈はいっぱいでしたが、
その人たちも、誰も薬を持っている人もいませんし、
ただ壕〈に居ただけのようでした。