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証言262 | 8月12〜13日頃 | 『あっ、ほんなら、まだ燃やされん』 | 当時21歳 |
こういう材木、家が壊れた物を井桁に置いてですね。
で、死体をくべて(燃やして)いくんですね。
で、お母さんは『まだ生きてる』って言うけど、
やはり処理をしないと、どうせ腐〈るものでしょ。
鬼になりたくないけど、やらねば仕方ないでしょ。処理班ですからね。
で、一人ひとり丁寧に『あのね…』なんて、そんな時間無いですよね。
「除〈け」ってなもんですよね。ぼーんとくべるでしょ。
『あっ、あっ、まだこれは生きとる。動きよるばい』。
『あっ、ほんなら、まだ燃やされん』ですね。
で、殆〈どの母親が子供にこう、覆〈い被〈さって抱くようにしてですね、
死んでますよね。で、赤ん坊が生きてるんですね。
で、そのひもじいもんですからね、乳房〈をこう、
がむしゃらに吸い付いてますけどね、
お母さん、死んでるものですからね、赤ん坊が癇癪〈だしてですね、
母親の周りを這〈い回るやら、もういっぺん乳房〈をこうくわえるやら。
そうこうするうちに、赤ん坊除〈けて(母親の遺体を)ぼーん、くべるでしょ。