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証言259 | 8月10〜12日頃 | 妊婦が、爆風によって、子供を露出 | 当時44歳 |
ずっと一巡したんですが、えぇこの、「下の川」の川ですね、
それから大橋〈の川、「浦上川〈」ですね。
これにはもう、死体が、毒流しにおうた魚と同じですよ、
いっぱい浮いてるんですね。死体が。
それから、まぁ、爆風〈の威力ってのはこんなに強いのかと思ったのは、
ちょうど、山里〈に孟宗の竹林がありましたね、その竹林が、
ずっと撫〈でて倒れてね、しゃげて(つぶれて)…しゃげとるんですよ、
筏〈みたいように。
そしてみんな死体は裸ですね。これは、爆風〈で取られたのか、
あるいは焼けたのか知りませんけど。
それで、着物きとる者んは、死体の確認が、しよいんですよ。
ただもうそれで非常に骨折れましたですね。
ほいで、もうその、私、山里〈で見たんですけども、
子供が三輪車に乗ったまま、黒焦〈げになってましたね。実に酷〈かったですね。
妊婦がですね、爆風〈によって、子供を露出しとるんですね、死んで。
そしてその、まあ、可哀想なのはね、もう親が死んで、赤ん坊は生きとる、と。
こういうのもあるんですね。もう、手の施しようがないんですね。
実に、私はまあ、地獄って言いますけども、大橋〈の橋の下、
ちゅうのはまあ、本当の地獄だと。もうその惨状〈、実にもう目を覆〈うような。