MC068月7日暁、広島。 証言093流れてくる死体が、こう櫓に 証言094ここへ今晩な、砂掘って埋けよう
証言095下敷きになったまま焼け死んで 証言096お腹だけ、お尻だけ残った 証言097『鏡持っとるか』『鏡持っとる』
証言098死体を踏んづけたってなんともない 証言099きれいな小さい骨がばらばら 証言100それへパカンとやられて
証言101米兵を、足蹴りにする叩きつける 証言102死体の間から子供が這い出て、乳房に口をつけ 証言103まるで、ごみを焼くようにね
MC07同盟通信、長崎支局にて 証言104新型爆弾を使用せるもののごとし MC088月8日から一週間の広島
証言105死体をまたいでまたいで 証言106『ああ…、呉は良かったな』 証言107あの時水をうんとたらふくね
証言108承知しましたと言う以外にない 証言109あの姿を親に見せんほうが親孝行 証言110内部のガスが、ぶつぶつ
証言111死体から金歯をね、ペンチでもってこう 証言112ムシロを剥いでしもうて、よそへ売りに 証言113つり銭がどうじゃこうじゃ言わずに
証言114あの辺からお父さん、出て来や… 証言115『何々やー、何々…』 証言116忌中という文字を焼ききって
証言117鳶口で目のところをぐっと刺して 証言11850体ほど詰めて、そして横穴を塞いだ 証言119手鉤でぷすっとね、刺すんです
証言120『まだ生きとるわ』『のけとけ』 証言121生きてる人の方が怖い 証言122大体何歳ぐらいの、まあ女なら女
証言123子供たちが数えて遊ぶ 証言124死体で死体を焼いて行くような 証言125グレーの物体
証言126皮がぶらさがっとる位、こまいこと 証言127おんぼろ布団が濡れて油をぶちまけた様 証言128すぐ死んだ人は幸せな方や
証言129子供が軍歌を歌うて死にました 証言130ひょっとしたら放射能? 証言131死体を見て怖いとか思いませんよ
証言132短歌 朗読