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証言119 | 8月15日の前 | 手鈎でぷすっとね、刺すんです | 当時49歳 |
死体の整理はね、もう、3日目、4日目になったらね、
人間の手でこうやって持てないんだから。
なんぼやっても、ここに引っかかるところあるのよ。
ドンゴロス(コーヒー豆を入れるような粗い麻の袋または布)で
こうやって持ってもね、持てないの。つるっと抜けちゃうの。
皮ごととれちゃうの。そいでね、足もそうでしょ。
足でもこんなに太うなっちゃってるのよ、下の方が。
そうすると山口の連隊がね、「手鈎」を使い始めたんだ。
手鈎〈。魚なんかこうやっちゃ持つの。米俵〈こうやってやるの。
ほいでね。みんなこうねなってるでしょ、また、
足の方をぷすっとね、刺すんです。
ほれから、あの、頭をここをね、ぶすんとこうやってね、
ほいっと持ってって、ほいで、積むんじゃな。
それをね、消防団の本部へね、わしらの署長のところへね、
えー、みんな何ぼでもね、なんぼ死んでるからいうても、酷〈いからね。
『これはどうかひとつ止めさせてくれんか』言うて、やっぱり近辺の者からね、
えーあの、『そりゃあ誠に済まん、そりゃあ、あんたのおっしゃる通りじゃ。
ほいじゃまぁ、止めますから』言うて。ほいで、止めるんじゃ。
ほいでの、見えなくなったらのぅ、またもうやりよるが、
そりゃ持てんのだからしょうがないんじゃ。
それからもう、今じゃはっきりな場所は言えませんけども、
焼くものが無くなっちゃっての。
そいで、わしらん所へその近辺の消防団の方が頼みに来てね、
『土葬させてくれ』言う…