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証言128 | 8月7日以降 | すぐ死んだ人は幸せな方や | 当時36歳 |
あれはもの凄いものでしたなぁ。
これがほんまな地獄やなぁと、思いました。
ぞろぞろ、ぞろぞろ、何百人じゃない、次から次来るんじゃから。
それが皆口々に『いたーい、うー、助けてー』とですよー、唸〈っとるんですよ。
皆が皆、みなもう半死半生、よぼよぼ。
あの時分〈粗末〈な着物であり、夏であった。そこへ放射能浴〈びとるんだから、
どうにもならんぼろぼろの着物着とる。それが全部焼けとるでしょう。
なかには、乳母車の砕けたようなのに乗せて貰〈って来るんですなぁ。
押しとる人そのものが、もうよぼよぼやから。
丁稚車〈に二人位乗せて、治療〈班の所に来るんですわ。
引っぱっとる人そのものが、もうよぼよぼやから。
口々に、みんな……、みんな……。『う〜う〜』心から苦〈しい叫〈び声ですなぁ。
すぐ死んだ人は幸せな方や!