被爆者の声113

<body><a href="../index.html">HOME</a><br><table summary="証言105"><tr><td class="testi">証言105</td><td class="date">8月8日　爆心</td><td class="i_midasi">死体をまたいでまたいで</td><td class="age">当時12歳</td></tr></table><div class="large">ええ、爆心地のとこ行ったんです。<br>その川っぷちにね、あのう、ちょうどあたしたちと同じぐらいの、<br>あの、生徒、男の子の生徒が建物の<ruby>疎開<rp>〈<rt>そかい<rp>〉</ruby>にね、作業に出てたらしくて、<br>そういう人達がいっぱい固まって死んでました。<br>え、そういう死んでる中をね、こう、またいでまたいでこう、歩いてね、<br>あたしたちは来たんですけどね。<br><br>肉親らしい人が、やっぱりこう探して歩いてましたけどね、<br>トタンをこうめくって見たらね、<br>やっぱり自分の子だったらしいんですよ。<br>で、その死体にねえ、『ここにいたいた』って言ってね、<br>それね抱きかかえて泣いてましたけどね。<br><br>それでね、あのあたしのうちのね、<br>焼け跡へ<ruby>着<rp>〈<rt>つ<rp>〉</ruby>いたときにね、あたしが弟をおんぶしてね、<br>レンガがこう転がってたんですよね。<br>で、そこへあたしが何の気なしにひゅっと上がったんです。<br>そしたらそのレンガがね、ぺシャンと<ruby>崩<rp>〈<rt>くず<rp>〉</ruby>れちゃったんですよね。<br>『レンガが<ruby>崩<rp>〈<rt>くず<rp>〉</ruby>れるぐらいだからひどい爆弾だね』って<br>母親が言いましたけどね…</div></body>