しばらく探しとるうちに、 『ああ、まことここが自分のうちやったかな』と思うて、 近寄ってみるとちょうどきれいにこの焼けた瓦の上にもっていってね、 白骨〈がこうありましたね。 『あらここに白骨〈があるが』と。 それからこの、よう見ると言うと、ちょうど歯がありました。 歯がこう金歯を2本入れとりましたから、 『はあ…これはもうこれこそ家内〈のに違いない』。
こう思うて家内〈の骨をちょうど隣におった兵隊さんからあの、 白い布を貰〈いましてね、それへ家内〈の骨をこう包んで、 そしてそれを退〈けてこうやって、えー、退〈けてみるっちゅうけどその下にね、 きれいな小さい骨がばらばらってしとったですよ。 おお、これがもう子供の骨に違いない。 |