夜が明けるまでにね、その二人の子供が死んだの、砂場で。 『ゆきえもとしこも、この二人が死んだんじゃがどうしようかミヤマエさん、 かわいいが連れちゃ逃げられんよね』言うてから言うたけん。
考えて、『連れて帰るいうてもな、乗りもんもないし するけどうするかねえ』て、 『まあほいじゃまたな、ここへ掘りに来る(こと)にして、 ここへ今晩な、砂掘って埋けよう』いうてお母さんが言うてね、 『ほいじゃそうするかね仕方が無い。かわいそうでも』言うて、 そこで二人がえっと泣いて、そうやって二つ並べて埋〈けたんよ。埋〈けたん。
そしたらあくる日もね、そこを逃げられんのよね、かわいそうで。 置いて逃げれんが、ね、『お母ちゃん後からすぐ行くけんね。 ゆきえちゃんとしこちゃんな、すまんの』言うてからそこでな 手を合わせて拝んで、二人が埋〈けて、えっと泣いて。 そしたら今度ね朝になった、 ほいたらね、またバリバリやるじゃないね、機銃掃射〈しに来た。 そしたらよそから応援に来とるもんが、『逃げぇ』言うて やかましいうんじゃが、歩けんじゃないね… |