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証言384 | ことば | 結局は過去の語り草になって終わっちゃう | 当時6歳 |
被爆者自身も、自分の娘が適齢期になると、『結婚問題に響く』、
『触れてくれるな』と逃げ回る。いやがる。
僕に言わせりゃ『なんでお前、逃げるんだ』。こう問いたいですよ。
『お前なんか悪いことしたのかい』と聞いてみたいんですね。
『なにもしてないじゃないか、お前は』って。
アメリカの奴が勝手に落としやがってね、そんなひどい目にあわされて
『なんでお前逃げるんだ』。
反対に向かって、噛みついてから、
腸でも引きずり出してやるのが本当じゃねえか。そんな思いをしたのに。
それを逃げて、仕方がないって諦〈めちゃう。
こら僕はもう本当に腹立たしいな、こういう考え方っていうのは。
前進一つもないですよ。反対に後退になっちゃう。
だから、この問題は後退してしまったらダメですよ、もう。
絶対前進して行かなくちゃ。
そういう問題提起はどんどん突っ込んでいかなくちゃね、
ますます忘れられて、
結局は過去の語り草になって終わっちゃうんですよ。
終〈いには童話みたいになっちゃいますよ。
そういうことがあったんだそうなって。
あったんだそうなで済まされる問題じゃないですよ。
僕らの子供もいるんだから白黒ハッキリさせなくちゃいけないですよ。