被爆者の声404

<body><a href="../index.html">HOME</a><br><table summary="証言381"><tr><td class="testi">証言381</td><td class="date">8月17日</td><td class="i_midasi">やれ原子力を平和に使うだとか、</td><td class="age">当時42歳</td></tr></table><div class="large">そして<span class="small">（8月の）</span>17日の朝になったら急に、むくみが出ます、<ruby>嘔吐<rp>〈<rt>おうと<rp>〉</ruby>をする。<br>急激に悪くなってそれで、<br>『お父さま、わたしもうダメのようだから、<br>きっと、きっと<ruby>仇<rp>〈<rt>かたき<rp>〉</ruby>を取って』と言って息を引き取った。<br><br>私はその後、だらしがなくて<ruby>仇<rp>〈<rt>かたき<rp>〉</ruby>を、今日取れない。<br>けれどもあの一発の原子爆弾によって、やれ平和がもたらされたんだ、<br>みんなは尊い平和の犠牲者だ、という言葉を聞く度に、<br><ruby>釈然<rp>〈<rt>しゃくぜん<rp>〉</ruby>としない気持ちが私にあって、故人には気の毒で、<br>今日に至るまで、毎朝詫びをしたりしていって…。<br><br>ですから、原爆の<ruby>悲惨<rp>〈<rt>ひさん<rp>〉</ruby>さっていうのは語り尽くせないですが、<br>私個人の気持ちとしては、世界中から原子爆弾に知識のある奴は、<br>皆死んじまえばいいと、こういうように。<br>やれ原子力を平和に使うだとか、いろいろうまいことを言ってますけど、<br>よっぽどこんなにない時代の方が豊かな生活だったんですよ。<br>原子力なんていうのが日本に、世界中にない時代の方がですね。<br><ruby>遙<rp>〈<rt>はる<rp>〉</ruby>かに平和でみんなの…</div></body>