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証言380 | ことば | きみたち、今の日本を見てみよ | 当時34歳 |
動けなくて火が迫って来ると。
結局、生きながら火葬された生徒も居ったと。
そして、私の名を呼んだ生徒も居ったと。
どうして自分だけですね、生き残ったのか、と。
あの時、あの場でなぜ死ななかったのだろうかと。
あの世に行ったら、まず生徒に謝りたいと思います。
少しは再会の楽しみもありますね。
ですから、私は教え子の墓参りをしたことがありますけれども、
その時に、相手はお墓で声は出しませんけれどもね、
お話をしたことがあるんですよ。
きみたちと、我々とは、文ん字通り命を的に働いて来たと。
今は平和だと世間の人は言うと。
けれども、きみたち、今の日本を見てみよと。
あの温泉マークとホテルと、ボーリングとパチンコ屋とね、
スポーツカーとね、あんな物のために俺たちは死んだんだろうか、と。
怪我をしたんだろうか、と。
我々はそんなことのために命を的に戦ったんじゃなかったはずです。