ああいう惨い死に方しとりましたからね。 例えば、あの黒焦〈げの死体の中に自分の子がおったとしたらね、 よう見つけんような、全くその勘〈の鈍い親じゃから、 申し訳〈がないと思って、まあせめて残っとる子供を 大事に育ててやらにゃ思うてね。
今でもね、自分の子供が死ぬのが気が付かないほどね、 分〈からんような、親じゃから、申し訳〈がない思うんですけどね。 ほんまにあれが一人じゃったらね、私は家なんか全部捨ててしもうてね、 巡礼〈になってもええから探しに行きたい思うたんですよ。 そやけどね、後の子を育てにゃなりませんしね。 |