私たちは、たいへん多勢の若者を殺しましたわね、戦地で。 だから絶対に広島の地を離れまい。 どこへ行って暮らしてもいいんですけどね、 もう家も無ければ何も無いんですからね。 そうなんですけども、どうしても広島は 子供たちも主人も亡くなった土地だから自分は離れない。
今でもねあそこ行って、慰霊碑に私がお参りします時にね、 『また来ましたよ』って、そしてあの碑文をね、胸の中で唱〈えます。 『本当にもう過ちは繰り返しません』って私は思いますね。 伊藤:『過ちの中に、ご自分自身が、その一部分として含まれる という意識を思ってらっしゃるんでしょうか?』。 『そうです。切実に感じます。』 |