『自分の国守らにゃならん』いうのは、
口当たりのええ、耳あたりのええ言葉なんですけど
自分の国を守る言うてから、守れば、二百万も三百万人もの
死傷者が出ますですからね、このことを思うと、
国を守らん方がええです。

占領したいとこへ占領さしてから(占領させてから)
だまって応答した方が、かえって国民のためになるんじゃないかと。
それは、自衛隊の軍人さんなんかは仕方がないでしょうけどね。
後方で死ぬ人ですね、赤ん坊から年寄りね、女の人、
こういう(ような)人のことを考えると
戦争してから自分の国を守る必要はないと思います。
国を守る守ると言うてられる人は、
その死傷者のことは考えんのと思いますがね。

「剣をとる者は」 伊藤明彦 撮影 

HOME