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【ナレーション】
この時期から始まった戦後と呼ばれる年月は、被爆者、特に直接被爆者、中でも近距離の直接被爆者が、放射能の後遺症状によって時間をかけ、緩慢〈に殺されていった歳月。健康、家庭、生活の全てを破壊された被爆者が、政治、行政の無関心と、人々の偏見と差別のもとで苦〈しんで生きた歳月です。
しかし被爆者は生き抜き、健康、家庭、生活を再建する道を通じて、様々な社会活動に参加する道を通じて、自分たちが人間の歴史の中で他の人々が果たすことのできない役割を担った存在であることに気が付き、自らを単なる「原子爆弾被害者〈」から「原子爆弾否定者〈」へ変えていったダイナミックな歳月です。
これらの年月を語ったお話の録音は【被爆を語る】のタイトルで、全国940箇所余りの、平和資料館、国公私立図書館、大学・高校図書館などへ寄贈〈してあります。併せてお聞き取りくださることをお願い致します。
この作品では、最後に、お話をうかがった時、被爆者が明かした胸のうち【ヒロシマの言葉・ナガサキの言葉】を聞いていただきます。