HOME
証言332 | 8月15日以降 | 血を3合ぐらい吐いたろうよ | 当時50歳 |
(私の子は)どっこも怪我しとらん、焼けてもおらんが、
髪はこう抜けたは、うちんとこ来たとき。
『母ちゃん、髪こうやったら、どうして抜けるんじゃろうか』と、
こうやったら坊主になる。
『あんたおかしいのう。あんたはどっこも焼けとらんのに、
こうやったら髪が抜けるんが不思議なの』
それより前、血をえっと(沢山〈)吐〈いたわい、3合ぐらい吐〈いたろうよ。
きれいな血よ、その血が。
初め、『鼻血がでるよ』言うけんの、こう紙の栓〈をしてみた。
栓〈をしたら『今度は口に出るけんどうしようか』言うけん、
『とうとうしようがないけんの、
ここに金ダライを置いてあげるけんが、
金ダライへこうやっとりんさい』言うたら、
『口からでも鼻からでも、出るけん。出るだけ出たら止まるけん』。
『ほいじゃがのう、うちは血が出るけんどうしても死ぬるかも分〈からん』。
『死にゃあせんよおの、血を出るだけ出しんさい』言うて。
出すんと死ぬるんと同じ…。6時なんぼには死んだ。