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証言330 | 8月24〜25日頃 | これから毎日毎日よくなるんだと | 当時20歳 |
そのころからぼつぼつ外へ出て、散歩し出したんです。
もう、空襲もないという安心感もあったでしょう。
少しずつ目を押し開けながら、
外の空気をつけて歩く習慣をつけなければ、
いつまでたってもね、元気出さなきゃいけないということもあったんです。
で、散歩してまして、ある日、ほとんどね元気が出て、
歩いてもふらふらするということが幾らか少なくなってね、
やや元気が出たわけなんです。
そいでね、井戸端をね、一生懸命〈井戸の水を覗〈き込んでいたら、
今日はね、ものすごくはっきり見えるんです、顔が。
そいでね、その顔はね、顔かたちがきれいに見えるんですね、
お化けになったような顔が。
そいでその時のね、もう本当にその時こそね、
絶対にこれから毎日毎日よくなるんだと、自信を取り戻しました。
もう本当に絶対死なない、というような気がしましてね、
その時になんだか自分でうれしかったですね。