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証言321 | 9月上旬頃? | 死人を焼くのが、目の前 | 当時36歳 |
バラックを建てて、そこで食堂、小さい食堂を始めました。
そうするとねえ、6時頃になるとね、もう暗いでしょう。
隣いうても見えん、向こうの方でしょう。そいで死人を焼くのが、
学校の方で焼くのが、「前」ですからね。臭いはするし。
ガサガサガサガサ近所をね、
人が歩くような、犬が歩くような音が、うんと、
夜っぴいてあたし、子供を抱いて眠らんと
座って居た事が何日でもあります。
それは、怖い怖い思いしました。電気はなし、ただの重油を貰って、
あれに、布〈を少しこうはめて、少しの灯かりで凌〈ぎましたがね。
真っ暗でしょう。隣いうても声立てて聞こえるような所じゃなし、
みんな掘っ立て小屋ばかりでしょう。
もう、こうして見ると広島中が一面に見えるんですもの。