被爆者の声342

<body><a href="../index.html">HOME</a><br><table summary="証言320"><tr><td class="testi">証言320</td><td class="date">9月になってから</td><td class="i_midasi">一縷の望み</td><td class="age">当時44歳</td></tr></table><div class="large">だから<span class="small">（父は）</span>結局<ruby>分<rp>〈<rt>わ<rp>〉</ruby>からんずく。<br>だからどうも葬式をする気にもなれんしね。<br>そのうち、まだ帰って来はしないか、という<ruby>一縷<rp>〈<rt>いちる<rp>〉</ruby>の望み持っとるし。<br>かと言っても、探す所は<ruby>大体<rp>〈<rt>だいたい<rp>〉</ruby>、まあ周辺の何は、<br>ここいらの人があまり行ったという話し聞かんような所は、<br>皆、探しましたがね、結局見つからん。<br><br>最後にちょっと落ち<ruby>着<rp>〈<rt>つ<rp>〉</ruby>いてから、<br>市の方に、なんですなぁ、いろんな資料を<span class="small">（市が）</span>集めましたからね。<br>それを見には行きました。行ったけどそれの中に書いてあるのはね、<br>みな、もう当時のザラ紙の変な紙にね、いろんなね、<br>いろんなのが紙に書いてあるのを見て、<br>これじゃあどうにもこりゃ手のつけようがないな、<ruby>分<rp>〈<rt>わ<rp>〉</ruby>からんな思うのが。<br>中には「男女不明」と書いてあるのもあるし。<br>「推定何歳位、男」、っていうようなんでしょう。<br>じゃから全然ね、これを見たってしようがないなあ思いながら、<br>まあ、ずっとめくりましたがね、全部。</div></body>