火傷をした父にすぐ、そのー、弟のことが心配だから、
『探しに行こうか』言うて、私、言うたんですよ。
しかし、父が反対したんです、『危険だから、行っては行けない』と。
もし、父が反対せんかったら、私も探しに行っとるでしょうし、
探しに行ったら
恐〈らく
放射能で命はなかったでしょうね。
まぁ、弟のことが気になりましてね、私も。
そのことばっかり思うて、暮らしとったわけですが、
夢の中へ弟が出てきてね、そして、
『いったい、そのー、おまえは、どこでどうなったんか』と、
『兄さん、実は、僕は、
己斐〈の、レンショウジ、いう寺で死んだんで』と。
で、あわてて寺を探してみたんですがね、
事実、あったわけで、私、これには、まぁ驚いたですよ。
字まで教えましたね。
そこで、その、お経を上げてもろうたり、した
訳〈ですがね。
決してその、
迷信〈を信じるとか言うことではないですがね…。