被爆者の声341

<body><a href="../index.html">HOME</a><br><table summary="証言319"><tr><td class="testi">証言319</td><td class="date">8月15日以降</td><td class="i_midasi">夢に弟が出て、寺の字まで教え</td><td class="age">当時15歳</td></tr></table><div class="large"><ruby>火傷<rp>〈<rt>やけど<rp>〉</ruby>をした父にすぐ、そのー、弟のことが心配だから、<br>『探しに行こうか』言うて、私、言うたんですよ。<br>しかし、父が反対したんです、『危険だから、行っては行けない』と。<br>もし、父が反対せんかったら、私も探しに行っとるでしょうし、<br>探しに行ったら<ruby>恐<rp>〈<rt>おそ<rp>〉</ruby>らく放射能で命はなかったでしょうね。<br><br>まぁ、弟のことが気になりましてね、私も。<br>そのことばっかり思うて、暮らしとったわけですが、<br>夢の中へ弟が出てきてね、そして、<br>『いったい、そのー、おまえは、どこでどうなったんか』と、<br>『兄さん、実は、僕は、<ruby>己斐<rp>〈<rt>こい<rp>〉</ruby>の、レンショウジ、いう寺で死んだんで』と。<br><br>で、あわてて寺を探してみたんですがね、<br>事実、あったわけで、私、これには、まぁ驚いたですよ。<br>字まで教えましたね。<br>そこで、その、お経を上げてもろうたり、した<ruby>訳<rp>〈<rt>わけ<rp>〉</ruby>ですがね。<br>決してその、<ruby>迷信<rp>〈<rt>めいしん<rp>〉</ruby>を信じるとか言うことではないですがね…。</div></body>