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証言318 | 8月下旬以降 | 帰ってきやすまぁか、 | 当時22歳 |
(義父が)『どこぞで木ぃ、拾うて来ぅよう』いうんで、
あっちぃ、こっちぃ、木を拾いましてね、
ほいて、掘っ立て小屋みたいなん、建ててくれたんですよ。
のが、ちょうど6畳の部屋ぐらいの家を建ててくれたんです。
それも、素人が建てるんですけぇね、ええ具合な家は建ちゃしません。
ただこう、掘っ立て小屋を、四角なの、
ルンペン小屋みたいなの建ててね。
それ(に)、寝起きしよったんですよ。
雨は降るし、土砂降りには、布団はぬれるしね。
下は、土べたへ持っていって置いとるんだから。
布団〈は、びっちゃり、こう、湿りが回って来るしね。
気持ちのええもんじゃないですよ。
こう、幅の狭いの、寄せ集めとる板でしょ、
その間から、雨の露、みな上がってね、布団〈がみな、それを吸うでしょ、
そしたら布団〈がじっとりしてくるんですよね。
それでも、私はもう、当分、起きて座って、あれでも、
ひょっとしたら戻ってきやすまぁか思うてね、
主人が帰ってきやすまぁか、思うて、座って待つとりよったですよ。
帰ってきやすまぁか、……、もう帰ってきやすまぁか思うてね。
待ちよったですが…。