早く言えば倉庫みたいなとこでしょ、
ただ、だから、屋根があって柱が立つとる
いうだけのとこですよね。
ほいで、私のおばあさんがね、何いうことなしに
「
蚊帳」持って出とったんですよ。
蚊帳〈をね。
その
蚊帳〈が結局、「家」でしてね。
ほいで、
薮蚊〈にも刺されませんしね、
そいで、私らも
怪我〈しておりましても、あの、
蛆〈も湧かずにすんだんじゃろう、思うんですよね。
着るものいうても「ない」ですしね。
まぁ、背中が焼けとりますから、着られもしませんしね。
鍋釜ないですからね、どっからか、カンカン
(空き缶)拾うてきて、
それで、芋の茎やらね、なんかこう、
炊〈きましてね、
昔のその、それこそ原始時代の生活ですよねぇ。