HOME
証言317 | 8月中旬以降 | その蚊帳が結局「家」 | 当時12歳 |
早く言えば倉庫みたいなとこでしょ、
ただ、だから、屋根があって柱が立つとる
いうだけのとこですよね。
ほいで、私のおばあさんがね、何いうことなしに
「蚊帳」持って出とったんですよ。蚊帳〈をね。
その蚊帳〈が結局、「家」でしてね。
ほいで、薮蚊〈にも刺されませんしね、
そいで、私らも怪我〈しておりましても、あの、
蛆〈も湧かずにすんだんじゃろう、思うんですよね。
着るものいうても「ない」ですしね。
まぁ、背中が焼けとりますから、着られもしませんしね。
鍋釜ないですからね、どっからか、カンカン(空き缶)拾うてきて、
それで、芋の茎やらね、なんかこう、炊〈きましてね、
昔のその、それこそ原始時代の生活ですよねぇ。