もーう、その時の治療〈ちりょう〉は、今でも忘れません。
あのぅ、このケロイドの上に、薄皮が、こう…、張るんですね、
たらもぅ、薄皮が張ったら、大体〈だいたい〉痛みが…、痛いことは痛いけど、
薄皮が張ってるもんだから、だまーって。
痛いっても、痛くない（劇痛ではない）わけですよ。
ところが、薄皮を病院に行ったら「バーッ」と剥〈は〉ぐんですね、
薄皮を剥〈は〉がれる時が、ね。
もぅ、本当、この世の地獄でしたね。生き地獄。

あぁもう、戸板に担〈かつ〉がれるときはいいけど、
降ろされたまではいいけど、もう、お医者さんが、
ピンセットっていますの、あれ見たら、もういきなり、
あーーって、本当。もうなんて言ったらいいかねぇ、
もう、本当、この世の地獄だねーって、
これを、いつまで、こんな痛い目に遭うんだろうかって、
泣かないけどね、悲鳴をあげてましたよ。『きゃー』ってね。
もう、痛いんですよ、「バーッ」と剥〈は〉ぐんだから、みんな。
先生は鬼みたい。はははー。