今になって思いますと、
カトリック信者が多い)浦上うらかみ地区の方が
大半だったせいなのか知れませんけれども、
騒いだり暴れたりというような患者の方は、
ほとんど居られなかったですねぇ。

やはり、朝夕必ず食事の前には敬虔けいけんな祈りを捧げるとか、
原爆の洗礼を受けたこと自身を
自分に対する試練と云う風にお考えになってて、非常に、
まぁ敬虔けいけんな、静かな、闘病生活と云いますか、
そういうことをやってる方の方が多かったんじゃないかと…。

夜回りに廻りましても、なんか気味が悪いくらい静かな病室でしたねぇ。
勿論もちろん、あのぉ〜、うめき声と云いますか、
くるしさのために泣くとかうめくとか云う声はありますけれども、
それもその、耐えて耐えて耐えてるんだけれどもどうしても声が出る、
という風な感じの声ですねぇ。

従順じゅうじゅんで、医者の言うこと、看護婦の言う事、非常に忠実に、
非常におとなしく言われた通り聞いてくださった患者の方が
大半だったようですねぇ。

首が飛んだ石像(手を前に組んでいる) 伊藤明彦 撮影 

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