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証言306 | 8月16日以降 | ゴミ取り車が死体を運んで | 当時17歳 |
ころころころころ死んでいくんですね、みんなね。
黒板にね、毎日死亡者の数を書き入れるのにね、
もう5人、6人って書き込むんですよね。
ほいでもう、一教室に3列か4列ぐらいに
ずーっと布団並べて寝てますけどね。
(誰かが亡くなると)看護婦さんを呼びに行くんですよ。
そしたら看護婦さんはね、ガーゼを1枚握って駆〈けてくるんですよ。
そして、もうね『いいとこ行きなさいね』ってぽっと掛けてやって
そいでお終〈いですよね。
そうしてる時に妹もとうとうそこで死にました。
取りに来るのがね、あの、ゴミ取り車なんですね。
一間〈ちょうど畳1枚ぐらいの大きなあの箱が
こう上についた車なんですよね。
あの、おじさんが引っ張ってね。
そしてそういうゴミ取り車が死体を運んでたんですね。
空箱に妹がコトンと落とされた音をね、あの今でもほんと悲しいです。
そしたら、もう1回に十何人位死体があるんですよね。
だからそれをぽんぽんぽんぽん積んでいって。
ただ最後にね、あの、2歳位かな、赤ちゃんがね、死んだんですね。
そいでその赤ちゃんが一番上に、もう山盛りなんですよ。
だから、もう積まなくていいなぁと思うのに上にちょんと載せたんですよ。
そしたら綱も何も掛けないで行くもんだからね、
動き出したら落ちるんですね、赤ちゃんが。そしたらね、
ほんと、今、お人形の頭をつかんであげるような格好でポイッて、
こう上げるんですね。あの赤ちゃんほんとね、
着〈くまでに何回落ちるかしらと思ってね。
悲しかったですね。