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証言304 | 8月中旬以降 | 隔離したらそのまんま | 当時19歳 |
バケツへね、消毒液をひたしてね、ガーゼを貼って行くんですよ。
もうそれこそ廊下もトイレも全部患者が寝とるんですよ。
それ全部あのリバガーゼを作ってね、貼って行くんですよ。
それで一日かかるわけ。明くる日はそれを取っていくわけ。
取っていったはしからまた貼り替えるわけ。
それから、蛆が湧いて傷からバイ菌が入るでしょ。
切断ですよ、今度は手や足を。
もう、ほんっとに重傷はね、もう、ほったらかしやったですよ。
もう、蝿〈がいっぱいもぶれて(患者の全身にたかって)ね、
私らが通ったら蝿〈がパアーッと(飛び)たってね、
ほいで、もう通り過ぎたら、蝿〈がまた、シャーッと寄ってくる。
蝿〈もぶれ。だから蛆〈が何ぼでも湧くんですよ。
原爆症が出るとね、あの、下痢〈するでしょ。
ほいで、あの、出血するんですよ。ほんで、もう赤痢〈じゃないか思うてね。
隔離〈したんですよ。私らも赤痢〈になっても困るしね。
皆さんの世話が出来ないから(手が回らないから)、
ほいけん隔離〈したらそのまんまになるでしょ。
気の毒でしたよね。そんなのはね。
原爆症でそう(下痢〈や出血状態に)なったのにね、解らんからね、まだそういう時は。