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証言302 | 8月中旬過ぎ | 今、坊や、大騒動してたのに | 当時30歳 |
そしてね『起こしてくれ、寝かしてくれ』
言うのが大変辛かったんでしょう。
寝てるのが辛〈いから起こしてくれって。
でも、この辺みな、あの、火傷〈されてますので持つとこが無いわけ。
頭の先をちょっと、こう、持ってね、あの、起こしてあげるわけ。
背中全部焼けてらっしゃるので、ビシャビシャだから。
ほいで、あの起こしてあげましたらね、
ものの1分経たぬうちに寝かしてくれって。
ほいで起こしてあげたり、寝かしてあげたりね。
そんな、あの、重傷者が亡くなられるっていうのは、
まあ、私はあれ(仕方がない気持ち)でしたけどね。
そこに3人兄弟の坊やがね、昼はもう、あのう、
撃剣〈ごっこ(チャンバラ)やって遊んでドンドンしてたのがね、
夕方、パタッとおとなしくなっちゃったんですよね。
そして、見たら、もう、それがね、死んでるって。
『あら、どうしたの、今、坊や、大騒動してたのにね』って。
『何かこの度〈の爆弾に遭〈った人はね、
こういう状態でみな死ぬみたいですよ』って言ってまして。
みんながみな怖がりますね。……