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証言296 | 8月16日以降 | 原子病の方が圧倒的に多かった | 当時28歳 |
今まで何とも無かった人が髪の毛が抜けてくると。
それから皮膚に出血斑ですね、
あの紫色のはっきりした斑点が出てきますね。
ま、そういう状態が始まってくるとね、口の中に潰瘍〈が出来たり、
歯茎〈なんかから血が出たり、いわゆる出血性素因〈っていいますけども、
まあそういった状態であって、だんだんとこう、熱が高くなってくると。
平時〈の状態でいえば顆粒〈細胞減少症という病気があるんですけども、
骨髄〈がやられて血液が極度に冒〈されるって形の病気ですね。
それで高熱が出て、ま、数日経てば亡くなると。
ま、そういうような状態の患者さんが非常に多かったですね。
ですから外傷といわゆる原子爆弾症ですか、原子病ですね。
両方雑居〈してた格好ですけども、
やっぱり原子病の方が圧倒的〈に多かったですね。
傍〈らから亡くなっていくんで、ほんとにもう憂鬱〈でしたね。
まったくその原爆病の、その治療〈の壁の固〈さっていいますかね、
痛感しましたね。