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証言294 | 8月16日以降 | 顔洗って毛に触ったとたんに | 当時25歳 |
これはおかしいなとわかってきたのは、例えばね、注射すると、
どんどんそこが腐っていっちゃうっていうようなこと。
白血病おこしちゃいますとね、
その注射したとこが腐〈ってきちゃうんですよ。
それから女子挺身隊〈の娘さん達なんか、やっぱり
いくらひどい怪我〈してても髪の毛なんか気にするわけだからね。
櫛〈けずるでしょ。
そうすっとばらばらばらっとおっこっちゃうわけね、根もとから。
これは変だぞっていうことからだんだん
この原爆症らしい症状ってのがわかってきたんですね。
若い娘さん達が看護婦さんから櫛〈貸してちょうだいつって借りてね、
髪、櫛〈けずったとたんにばらばらっと毛が落ちた時の
気持ちなんてのは、これは説明の要はないと思いますがね。
中には自分はあんまりその怪我〈も何にもしてないからっつって
応援に駆〈けつけてくれたそういう女子学生なんかもいるわけですよ。
ところが、その当人が朝、顔洗って
毛に触ったとたんにばらっと落っこっちゃう。
そういうようなことが至る所でおきててね。