HOME
証言290 | 8月17日 | 気の小さいお母さんであったら | 当時34歳 |
遺骨が17日に市役所へまわってまいりました。
とずいて(届いて)おりました。
これは私がぼやっとしますと子供はたくさんいるし、
食べ物は不自由だし、主人は亡くなるし、
本当に途方に暮れたようになにしておりましたら私の実家の兄達が
『あんた、しっかりせんにゃつまらんよ(いけないよ)。
あんたがしっかりしてこれだけの子供の面倒みてやらなきゃ、
あんた、ならんのじゃから、しっかりせんにゃいけん』言うて、
私を叱〈りつけましてね。
そしてハッと私もまったくそうじゃね、私がしっかりしていなければ、
これだけの子供の面倒をみることが出来ないいうて。
私自身がその時気を取り戻しましてね。
そうして、それから私の性質がちょっと女でなくて男のような性質に。
なにさま(なにしろ)子供が多いんですから。
父親と母親の二役をしなければこれだけの子供は
育てることは出来ない思いましたから。
そういう気持ちにこう、変わっていったんです。
だから少しきつかったです、私。だから子供が言うんですよね。
『お母さんはもし、お母さんが気の小さいお母さんであったら
自殺しているかもわからないね、子供が多いかったから。
でもお母さんは気が強かったねー』