被爆者の声307

<body><a href="../index.html">HOME</a><br><table summary="証言286"><tr><td class="testi">証言286</td><td class="date">8月15日</td><td class="i_midasi">私は非国民じゃったんでしょうよ</td><td class="age">当時15歳</td></tr></table><table summary="背景画像あり"><tr><td class="bg" background="../photo/img702.jpg"><div class="large">『まあ、ウチよかったー』言うて私が言うたら、その近所のおじさんがね<br>『あんた、ええことあるもんの』言うて<br>『どうしてーおじさん』言うたら<br>『今度終わったらみんなその殺されるんよ』って言うちやったけん<br>『殺されるぅん』て私が言うたら<br>『そりゃそうよの、あんた、こんだ敵じゃったんやけん殺されるよーの。<br>中国でもいっぱい殺しとるんじゃけん』言うてね。<br>『まあ、怖いねー』って私が言うたんですよ。<br><br>『どうして殺すん』言うたら、<ruby>田舎<rp>〈<rt>いなか<rp>〉</ruby>のおじさんがね、おじいさんがね、<br>近所の人が、そのみんなを並べてね、『日本刀で首を切る』言うて<br>『ほいじゃったらあんた日本の人口の人をね、あんだけの人口をね、<br>並べたらすごくあんた短刀も、いや、あの日本刀も要るしね、手でね、<br>その人を撃ち殺すいうことできんじゃないね刀で』って私が言うたら<br>『いや、あらゆることして殺すよ』言うて言うちゃって<br>『まあ、本当に』言うて言うたことあるですけどね。<br><br>私は終わって嬉しかった。で、学校、行けるいうあれがね。<br>私はほんっとに嬉しかったですよ。ほいで<br>『夜も<ruby>空襲<rp>〈<rt>くうしゅう<rp>〉</ruby>はないし家も明るう電気つけられるんじゃね』言うたら<br>『そうじゃ』いうことでね。<br><br>私は<ruby>非国民<rp>〈<rt>ひこくみん<rp>〉</ruby>じゃったんでしょうよ。<br>じゃけんその当時でいうたら。嬉しかったんです。</div></td></tr></table></body>