いわゆる玉音放送というのを聴いた時にはね、 やっぱりもうがっくりときましたけれどもね、 日本は負けた、負けたらどうなるというような、 そういう考えの前にね、 あーこいでもうほんっとにあの空襲〈警報から解放されるかー なんていうようなことでね、人には言われないようなね、 そういう感じをうけましたですね。 ほんっとにもう何かホッとしましたね。
あんまりもう、その何か原爆の印象が強くてですね、 右を向いても左を向いてもね、 寝ても覚めてもね、そういうものの中に浸ってるわけでしょ、ね。 ですからね、もう息苦〈しくて息苦〈しくてたまらないわけですよね。
だからね、もう、その、あの、もう防空頭巾〈を本当に 空に投げ上げましたもの。私、うれしくて。 |