何でもう1週間戦争が早く済まなかったんだろう。 そしたら、せめて父だけでも生きていてくれたのにと思うてね。 悔しくて悔しくてね。もう、ほんっとにわーわー泣きましたね。
だけど、みんな帰ってくるから(当時、身を寄せていた親戚の)家の中は もうそれこそ喜びでいっぱいですよね。 (その家の息子のひとりで)海軍の主計〈大尉なんてのは、 もうそれこそトラック一杯の物資を積んで帰ってきましてね。
ほんとに何て言っていいんだか。もう1週間早かったら、 せめて父だけでも生きてくれてたんじゃなかったかなーと思うと。 ちょうど八幡〈様(神社)の下だったんですけどね、その家〈が。 もう足引きずり引きずり八幡〈様に登って 一人でわんわんわんわん泣きました。 2時間位泣いたでしょうね。そいで兄嫁が迎えに来てくれて、 『みんなが心配しているから』って言われて。 |