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証言216 | 8月9日 夜 | もう、祈りも何にも忘れました | 当時23歳 |
もう、生きるという望みは、もうなかったですもん。
こいでもう人生が終わるという感じ方じゃなかったっでしょうか、
そん時は。やっぱり、カトリック的な教育ありますから。はい。
もう、こいで、行くところに行けるんじゃなかか、ちゅうような、
本当にもうその、おじの悲惨な姿して、帰りがけにちらっと見た、
その、記憶の中に残ったような、無惨〈な姿を見てですね。
世の終わりっていう感じ方ですね。
普通は祈りをします。毎日、朝晩の祈りね、そらぁしますけれども、
その時は祈りする気力もありませんでした。もう、祈りも何にも忘れました。
父が『祈りばしゅうで(しょうよ)』って言うてくれたです。
『はい、天にまします』までは言う訳〈ですね。
もうその先は、『あそこは燃えよっ』とか…、祈りにならんです。
なりませんでした、本当に。
人間じゃなかったですね、本当に。牛や馬と一緒、と私は…