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証言215 | 8月9日 夕刻 | ヨブの言葉を思い出し | 当時31歳 |
その丘のところで、髪を蓬のように振り乱して、
近くのヒラヤマさんが居られました。
『今日は、誰も助かった者、おらんとですよ』。
『お宅のお父さんも、庭でなにかゴソゴソしておられたし、
奥さんも、昼時でお家だったろうし、妹さんは大学病院に』、
影浦内科に居たんですけれども、
『大学病院だったし、恐〈らくだめでしょう』というお話を聞いたときに、
私は、へなへなと座り込んでしまいました。
で、その時に私は、旧約聖書にある、
ヨブの言葉を思い出して、口ずさんでおりました。
『主、全ての物を与え、主、全ての物を取り去りたもう。
その主の名は、いつまでも讃〈えられますように』という、
祈りを私も真似てしておりました。
アベマリアという、マリアに捧げる祈りがあるんですが、
それを1回したか、2回したか、
それが終わったと思ったその時に、私はすっくりと立っておりました。
今まで抜き取られておった背骨が
ぐっと差し込まれたような気持ちがしたんです。