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証言214
8月9日 夕刻
敵機が去れば、また走り
当時50歳
被爆者の人々と山道で出会い、
人間とは思われぬ程の、痛ましい
有様
〈
ありさま
〉
を。
励ましの言葉をかけて走り続け、次々と敵機が上空に来る時は、
畑の中にうち
伏
〈
ふ
〉
せて、敵機が去れば、また走り、
やっと
浦上
〈
うらかみ
〉
神学校
〈
しんがっこう
〉
に
着
〈
つ
〉
いた、時は何人かの子供や
女子の死体が横たわり、いずれも
火傷
〈
やけど
〉
の死体ばかり、
その時はすでに
浦上
〈
うらかみ
〉
刑務所の森が、
しかも、
樫
〈
かし
〉
の大木が盛んに燃える、燃えていましたが。
ここまで来た以上、