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証言208 | 8月9日 15〜16時位? | ヤマモトも、名前ば言わんと分からん | 当時35歳 |
怪我した人が、ボツボツボツボツ帰って来るわけですよ。
『ミウラさーん』ち言うて、入ってみえるけどね、もうとにかく、
全部帰ってみえる人毎にですね、丸裸ですよ。
足首をくびってる(しばってる)紐〈だけが残っているわけですね。
それから、手首をくびってる紐〈が手首に残っていて、
あとは全部、丸裸ですよ。
それがもうね、この髪の毛の色みたいに真っ黒の肌色ですよ。
目だけはギョロギョロ光ってですね。
男の人がですね、女の身体みたいにですね、
乳房〈のようにブラブラもう、火膨〈れが下がってるんですよね。
もう、度肝〈を抜かれるわけですよ。
ほしてね、私がね『あんたはミウラさん』ってうちの名前を言うて
入って来られたけどね、『あんたの名前を言わんと、私はわからん』。
そんげん変わとるですか、て。とにかくもう、わからん、って。
目だけギョロギョロしてわからん、って。
『誰ですか』、『モリタです』。『名前ば言わんと、わからんですよ』。
『僕、フクマツです』、『あぁーそうですか、
フクちゃんの父ちゃんね』、って言うてですね、
『敷きまっせ』って言うてですね、また一時すると、
『ミウラさん』。『あんたは誰ですか』、『私はヤマモトです』。
『あぁーそうですか、ヤマモトも、名前ば言わんと分〈からん』。
『オトマツです』。
『あぁーそうですか、どうぞ、あの、私が連れて行くけん』って。
『家まで連れて行くけん、きつかでしょ』、『水ば飲ましてくれろ』。
『あぁ水なら安かこと、飲みまっせ、飲みまっせ』って。
水が毒になるとは知らずにですね。本当に…