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証言194 | 8月9日 午後 | 走る度にポトポトポトポト | 当時15歳 |
私はもう、真っ黒に焦げてましたのでね。
そんなんして、ここが真っ黒焦〈げて、
これがもう身がブラーンと下がってるんですよ。
汚れて真っ黒じゃないんです。焦〈がれて真っ黒なんですよね。
ぷらーんって下がってんですよ、
その下がっているのも真っ黒なんですよね。
走るごとにポトポトポトポト揺れるわけですよ、
雑巾〈みたいな、肉みたいな、なんか知らんけど、
わからないんですよその時にはもう。
熱いっていうのか痛いっていうのかな、
しびれてっていうの、もう分〈からないですよね。
半分しびれているんでしょうね、
皮がぶら下がっているというだけのことですよ。
それでもう、それ皆、肉、こう、長崎弁〈で「つん切った」って言うですけどね、
もう、取っちゃって、もぎ取っちゃって、それで捨てて。
そしたら、薬をバケツに入れて持って来たんですよ、真っ白い薬をね。
匙〈がお玉ですよ。手足の利く人は自分で付けなさいちゅう訳〈ですよ。
それを手のひらに貰〈って、つけなさいって貰〈うもんだから、
貰〈ったことは貰〈ったけれど、
やれないんですよね、自分ではね、とても。
付けることは付けたんですけどね。今度は足を見てみますとね、
足もやはりそんなしてぶら下がってるんですよ。
足は、ここからこうですけどね。お恥ずかしいんですけどね。