ああた、これから、挟〈はさ〉まってですね、まだ自分、生きとりますよ。
こうして、こうこうしとるでしょうが、『あんたなんしよるのね、
そういうところで、さっさ出らんね』と言うたら、
『出られん』、『なして出られん、そのくらいのこと』ち言うたらね、
『腰挟〈はさ〉まれて出られん』。

それからもう、ああた、火がずうっと回って来たでしょ。
それで、『おばさん、私一人じゃどうもできん。
こらえとって、すまんね』って、私、本当約束して、あんたを出さんのは困る、
あの、本当すまんやったってね。『こらえとって』言うてからね、
そして私はね『もう火が回って来たよおばさん、
ごめんね、ごめんね』言うてね。

それで私はね『念仏〈ねんぶつ〉唱〈とな〉えて、おばさん、念仏〈ねんぶつ〉唱〈とな〉えときなさいよ』言うてね、
『苦〈くる〉しかろうけど、ごめんね』言うて…それで私は、その時に…