運動場の真ん中、トラックだけ残しまして、真ん中は芋畑にしておって、 先生方が一生懸命〈になって作っておったんです。 その芋の蔓〈はわずかに残っておりましたけれども、 葉はほとんど吹き飛んでしまって。
学校の後ろの、大きな、人間が2人で抱きかかえるような 椋〈の木とか、いろんな木が、椎〈の木とかあったんですが、 そういう木もほとんど微塵〈にやられている。 1mのところから吹き飛んだり、あるいは根から吹き飛んだりして、 もう、倒れているというより、むしろ吹き飛んでいる、と。 しかもそれが、コンクリート校舎の後ろなんです。 その脇〈の方に、職員室の後ろに木造の校舎があったんです、3教室の。 それなどは、倒れとると言うよりも、 柱も何もバラバラになって飛んでいたようです。
そういうことを見ながらも…、なにも感情が…。 やられたなあ〜、校舎もやられてるなあ〜と思いながら、運動場に、 その亡くなっている人を沢山〈あったのを、 『ああ、たくさん報国隊〈の人たちもやられたなあ〜』という位の気持ちで。 平素〈ならばもう、こりゃぁ非常に衝撃を受けると思うのですが…。 そういう気持ちで防空壕〈の所にいました。 |