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証言182 | 8月9日 前話直後 | 至近弾が近くに…どこも同じ | 当時58歳 |
もう病院の方に向かって、坂道を沢山の人が上がって来よる。
その人を見ると身体中焼け爛〈れて、着物はボロボロに焦〈がれてですね。
下の方は、着物が焼けて、切れて落ちてしまっている。
そういう患者が救いを求めて『喉〈がかわく。水が欲しい。
助けてくれ』と言って上がって来よる。
けども、私、そんなもの、何にも材料もないし、
はじめのうちは、幾分〈か診察着〈をさいて、
しばってやった人も1、2はあったと思うけど。
その診察着〈もそういう余裕がないほどであるし。
来た人の話によると、これは『至近弾〈が自分の近くに落ちた』と。
『そこで自分は、大学病院の方に助けを求めて、
治療〈を請〈うためにやって来よる』
ところが来てみたら、どこも同じようなことだ、
ということで驚いた様子でしたね。